介笑スマイル!「笑顔は介護の力になる」

脳出血のため中途障害者となった夫と介護する妻の今までとこれから

その指は何を訴えているのか?

2024年となって10日以上過ぎました。まだまだ能登半島地震での行方不明者も多い、天候も悪くなるその中で日常へ向けての支援も始まっています。テレビで防災とは事前準備がほとんど、何か起きた後にできることはごくわずかという話しがありました。もっと意識をもって備えていかないといけないなと思いました。

北陸では警報級の雪も心配されているのにこちらではもう梅も咲いていました。植物も咲く時期がわからなくなっているようです。

1月は旦那が倒れた月なので毎年1月を無事に過ごすことができるようにと祈りながらと過ごしています。倒れてからもう少しで丸5年。旦那のおしゃべりを聞かなくなってもう5年か・・・今でも声を出すことはできるし簡単な文字を読むこともできますが、なかなか自分の思う言葉はでてこない。元々が良くしゃべる人だったのでふたりでいる時はずっとしゃべっていました。今でも自分の思い、意見を発したいことに変わりはないのはすごいことですが、それを理解するのはなかなか困難です。失語症とは本当に不思議で本人の頭の中ではわかっていることなのにその言葉がでてこない(人により症状は様々です)よく「しゃべれないなら手話覚えれば?」などど言われるのですがそういうことではないのです。旦那の場合自分で何か訴えたい時に良く指をさします。それはその先にある物をさしていたり、何かの方向を訴えるために指さしていたり・・・もう少し身振り手振り、演技?も増やしてほしいのですが・・・そしてその指が訴えることは一番長い時間一緒にいるわたしぐらいにしかわからないと思っていました。

先日、近くの居酒屋で帰り間際にやたらとレジの方を指さす。バイトの大学生が「これかな?」といくつか尋ねるが違うという。やたらとレジを指さすので「お金ですか?」

と言うと頷く。「なんですと」と思っていたらその大学生が「あー古い10円玉、探したけどなかったんです」というと納得していました。そういえば前回着た時にギザ10を集めている旦那はおつりの中に久しぶりにそれをみつけ大喜び、その時にその大学生が「またあったらとっておきますね」と話していたことを思い出した。なのでそのことを訴えていたのです。

今日は髪をカットした後に「これでいいですか」と美容師さんから聞かれると髪を触り何かを訴える。暫くして「あーオイルつけますね」と美容師さん。いつも仕上げにオイルをつけているのでそれを伝えたかったのだ。どちらの時も私は旦那が指さして声をだすだけで「あーわからないからいいですよ」と言ってしまった。わたしだけがわかるなんて大きな間違いだし、ついつい面倒になってしまっている自分にも気が付いた。5年経つとついつい面倒なことはやりたくなくなる。わたしも気を付けなければいけないが、旦那にも考えてもらおう。ひとつのやり方だけでなく色々な方法もあるだろうから。